知っておきたい大学納入金 (看護系)

大学の一般推薦入試は大体11月から実施され、遅い所では3月に行われる所もある。選考方法は書類や面接や適性検査と称して筆記試験が行われることが多い。筆記試験も色々で、英語、数学、国語、小論文等である。試験から数日後には合格発表。昨日も看護系の大学に合格した生徒がやって来た。合格すると今度は親御さんの出番である。入学手続き、つまり納入金を支払わなければならない。それも1週間から2週間の間に大金を振り込まなければならないので大変だ。特に医療系の大学の納入金は目を見張るものがある。医歯学部は別格として、薬学部、看護学部、理学療養学部、作業療法士学部等。いずれも高額の納入金が必要だ。ここでは一番人気のある看護系について調べてみた。

私大看護学部の場合、初年度納入金がおよそ120万〜240万くらい。次年度はやや少なくなるが、4年間で400万から800万くらいになる。

国立大学看護学部は、初年度納入金が817800円、4年間で約240万。

私立短大看護学部の場合、初年度納入金は110万から180万、

これが公立の看護系短大になると60万〜70万

専門学校になると公立を合わせると、10万円から160万と格差が激しい。

看護系授業料はここ

その他に教科書代、参考書代、実習費、実習に伴う交通費、実習被服代(白衣・ユニフォーム)、聴診器代、学生保険料、父母会費、自治会費、同窓会費、など別途必要なものもあるので注意しなければならない。

高額な納入金を目の前にして、いつからこんなに高額になったのだろう?

資料をもとに調べてみた。

まず、大学全体の授業料の推移について

文科省のデータによると、

大学の授業料の推移

これを見ると、国立大学は

昭和50年の授業料が36000円、入学料が50000円で、合計86000円。
現在の授業料が53万5800円、入学料28万2,000円、合計817800円。

公立大学は

昭和50年の授業料が27848円、入学料が25068円で、合計86000円。
平成29年の授業料538,294円入学料394225円、合計932519円。

私立大学は

昭和50年の授業料が182677円、入学料が95584円で、合計278261円。
平成27年の授業料が868447円、入学料が256069円で合計1124516円。

昭和50年と比べると、国立大学の授業料は10倍以上、入学金、受験料は5倍以上。

私立大学の授業料は約4.5倍、入学金、受験料は約2.5倍となっている。国立大学と私立大学の授業料の差が無くなって来たことも特記すべきことである。

消費者物価指数を考慮しても上がりすぎではないだろうか。

この原因はいくつかあるが、国立大学の場合、大学法人化による大学自体の財政難が少なからず影響を及ぼしているのではないかと考えられている。国立大学の法人化は2004年(平成16年)4月に施行された。その結果、10年後の2014年(平成26年)には教育研究費は増加したものの運営費交付金が減少、そのため常勤教職員人件費が10年間で11.7%減少している。国立大学法人運営費交付金予算額推移(H16→28)を見ると、平成16年から平成28年の12年間でなんと1470億円の減少というデータも出ている。

そして削減された分を授業料の値上げで賄ってきたということではないか。

そしてこの傾向は今後も続き、授業料の上昇は抑えられない状態にあるようだ。

今後はますます進路に対して計画性のある行動と選択が必要となってくるであろう。

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